四国に台風が近づいて来ています。
今回の台風では我が家は、台風の進路から逃げれなさそう、今まで四国山脈の
霊峰石鎚山で遮られて助かってましたが、今回はどうでしょうか?
さて仕事の悪夢は屋外クレーンの台風による被害対策、据え付け工事中は何度も恐ろしい夢を見ました。
出来上がったクレーンであれば、備え付けられた方法・設備で台風対策をすれば
良いんですが、建設途中の物であれば、より頭を使わねばなりません!
特に海外(台湾・韓国)では十分な対策が取れず随分と悩んだものです。
クレーンの中でも特に怖いのが、この様な岸壁にある背の高い屋外クレーンで、クレーンの台風対策は↓
➀旋回部のブレーキをフリーにして緩める。
そうしますと、風の方向を背に受けて回り、一番影響の軽い所で静止します。
風速計の矢の動きと同じなんです。
➁次にジブを最大に伸ばします。
この様なクレーンはバランス機械で後ろ側にカウンターウエイトと呼ばれるウエイ ト が有って、この場合でしたらW1×ℓ1=W2×ℓ2になってヤジロベエの様に釣り 合った所が一番バランスが良いんです。
時々クレーンが転倒して死亡事故発生なんて記事が新聞にでますが、ほとんどが
このバランスの問題から発生しています。
大概のクレーンは、最大半径で小ウエイトを吊った時がバランスが良いように
設計されています。
この位置にセットし、デスクブレーキを開放して手でデスクを回してやると、大
きな機械でも一人で簡単に動かすことが出来るんです。
*そうそうデスクブレーキは、たいていは車のブレーキと同じです。
これが基本的なクレーンの台風対策なんです。
造船所の前を通る時にはこの様に対策をしてるはずですので見て頂ければ納得
出来ると思います。
台風対策は、クレーンをメンテナスする部署では常識の範囲です。
理由はわかっているはずなんですが、このバランスを考えなかった為に起こった
事故がありました。
夏になりますと12年前の8月の事故が思い出されますが、これが悪夢中の悪夢です。
バランスを崩したクレーンの事故例、ネットからの取り出した画です。
この様な事故報告書はだいたいが社外秘のはずなんですが、何故かネットに出て公開されてしまってますので取り上げてみました。
神戸にある造船所で起こった人身事故なんです。
車の助手席に乗ってラジオを聞きながら阪神高速を移動中、運転していた同僚が、急に大声をあげました。
クレーンが転倒して死者数人と言うニュースなんですが、場所は〇〇ではないか?自分が営業する担当会社だと真っ青!
慌てて事務所に帰りますと、既に事故報告が入っていて急遽現場に直行なんて人選しているんです。
padaも既に、そのメンバーに入ってました。
労基&警察が入って来て工場はストップしているとかで、即刻全てのクレーンをメーカにて調査と命令が出たんです。
翌日現場に行きまして、詳細が分かってきました。
このバランス機械の足元のベアリングを交換しようとして、上下を切り離す為ジャッキアップしたらクレーンがひっくり返ったんですね。
これ無茶間違った工法なんです。
作業責任者が作った作業計画書は、引き込みワイヤー交換時の方法でした。
この時はジブを引き込み作業するんです。
何故か?
単純に転倒モーメントは最小になるからです。
足元のベアリングを交換するのは台風対策と同じ様に前後をバランスさせてしなければならない、即ち最大半径にしなければなりません!
ここが根本的な間違いでした。
工事現場では、チョットしたミスが命取りになります。
その結果は↓
クレーンは12台あって、その内の3台のクレーンが並んでいたんですが、真ん中の
クレンは仰向けにひっくり返ってますね。
これもネットより借用の写真です。
右下の方に並んでいるのは警察でその横がパトカーです。
警察は泊まり込みが出来る様な大型車を置いて、証拠隠滅を図らないために24時間監視でした。
12台中6台は我が社~他社製もメーカに点検依頼しましたがメーカは辞退、結局
全て我が社で点検をする事にしました(涙)
クレーンはバランス機械ですので、支点(ベアリング)を取り替えるのはアームを最大に出して、数t程度の荷重を吊らないとバランスしないような機械に設計されているんです。
作業長はクレーン班の班長55才、副作業長は40才、クレーンを十分知ったベテランですが、この様なミスをするんですね。
クレーンは機械の中でも危険なため、日常点検・月例点検・年次点検を労基より義務付けられています。
各クレーンを点検する時に、これらの書類に目を通しましたら、各担当の部分に
亡くなった人のハンコを押していまして、これを見た時に複雑な心境になりました。
padaは、この二か月前に東京に同様の工事の指導員で応援に行ってるんですが、専門は電気~あの工事は絶対に断るべきだったと肝に命じました。